今回は第二次大戦時中に開発された
日本 ドイツ 米国などの知られざる兵器に
ついての特集です
もっとも知られざるといってもキット化
されているものが多くマニアにではなく
あくまで一般的に有名ではない程度と思ってくださいw
まずドイツ軍からいきます
現在 自爆型ドローンによる攻撃が
増えつつありますが その先駆ともいえる
兵器であるHs 293とフリッツXです
元祖ミサイル Hs 293
Hs/ヘンシェル 293は液体燃料ロケットを
推進器とする兵器で爆撃機に懸下されて運ばれ
投下後はロケットに点火して飛行し その間は
母機からの無線誘導(なんとジョイスティック式)
を受けつつ 目標に突入するという現在でも
行われているスタイルを既に持っていました
また もうひとつのフリッツXはSD1400徹甲弾を
ベースにした誘導兵器で やはり母機から投下後は
照準手がLotfernrohr 7爆撃照準器で 狙いをつけて
誘導しました
したがって 命中するまで母機は照準を外せません
この辺は対戦車ミサイルのコブラと同様の
不便さがありました
この二つは似ているように思えますが
基本的にかなり違います
Hs/ヘンシェル293は推進器を備えて飛翔する
誘導弾/ミサイルの始祖です
一方のフリッツXは誘導システムを搭載していますが
あくまで投下されるだけです
ですから こちらは現在のJDAMの元祖といえます
実戦にも投入され イタリアが寝返って艦隊を
連合国に合流させんとした時に 第100爆撃航空団
第3飛行隊が発進してこれを攻撃し その際に
Hs293とフリッツXが使用され戦艦 ローマが撃沈
されています
ところで精密誘導爆弾は朝鮮戦争では使用例が少なく
ベトナム戦争時にハムロン/タンホワ橋が1000回近い
攻撃でも落ちず そこで1972年に米海軍機が
精密誘導爆弾 いわゆるスマート爆弾で破壊しました
このことからも ドイツ軍の兵器がいかに先駆的
だったかがわかります
続いては アメリカですが米軍といえば
なんといっても物量です
その物量を支えるためには巨大な生産と
兵站と輸送力が必要となるわけですが
アメリカが対日侵攻の際に 太平洋を渡って
物資を補給する目的で開発していた超巨大
輸送機がこのConvair コンベアXC-99です
超巨大輸送機コンベアXC-99
この機体はコンベア社で1941年より始まっていた
B-36ピースメーカの設計をベースに開発された
輸送機で 主翼や尾翼はB-36の設計を流用しましたが
胴体は2階建ての構造に大型化されて主翼の取り付け
位置が中翼に変更されています
たった1機のみが作られたXC-99ですが
超空の要塞といわれたボーイングB-29が
全長 30m 全幅 43mなのに対してXC-99は
全長 56m 全幅 70mという化け物ぶりです
姉妹機であるB-36とのツーショット
またB-29が爆装して3000km程度の航続距離なの
に対して XC-99は13000kmという無茶苦茶な
航続距離を持っていました
自分が米国の航空業界が嫌になるのは
こうした機体性能にあるわけではありません
地球最後の日 のような画像
これだけ凄いXC-99でしたが 1947年に初飛行
したのでWW2には間に合いませんでした
そこで民間の旅客機や貨物機に転用して活躍
したとかになればいいですよ
そうじゃない もう要らないとポイ捨てする
これだけの機体をあっさりとスクラップにする
そこらへんが 嫌になるところですな
萱場 かつおどり
日本からは 萱場かつおどりを
挙げておきましょう
自分がこの機体を推すのは橘花や秋水が
ドイツとの技術交流の影響が大なのに
対して 初期構想から日本のオリジナル
だからです
萱場資郎が陸海軍の航空関係者へ郵送した
「成層圏飛行機申言書」に始まる。
これはカツオドリやイカにヒントを得た
無尾翼高速ジェット機の開発を進言しました
こうしてク1からク4まで紆余曲折を
しながら進んだ無尾翼機研究でしたが
一旦 停止します
そこで萱場独自プロジェクトとして
それまでの成果を結集したものが
この かつおどりでした
機首にエアインテークを配し 翼端に
安定板を付けた後退翼が高翼にレイアウト
されており これが萱場一型ラムジェット
エンジンで推進され最大速度は900km/h
更に武装は萱場社長発案による30mm無反動機関砲
二門搭載と言う立派なジェット戦闘機でした
中島の6発重爆撃機富嶽にも寄生戦闘機と
して搭載が検討されていたとする話もあります