Historical War
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幻の超重爆撃機富嶽とかつおどり


大和タケル
今回は富嶽についての内容ですが
管理者の推測的内容を含む記事です
その点をご了承ください

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ただ富嶽そのものについては 既に数多くの
文献等が出ていますので そちらを見てもらう
として ここではちょっと違う観点から
富嶽計画を見直してみようと思います

富嶽は一代で 中島飛行機を興した中島知久平が
心血を注いだ超重爆撃機でした

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当初 Z機と呼ばれたこの機体は全長で10m
全幅で20m以上もB-29を上回る巨大なサイズで
でした 

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富嶽用エンジン三菱ハ50形式
22気筒 2700ps

富嶽は確かに優れた性能を持った重爆撃機でしたが
護衛戦闘機も無く爆撃機のみで 殴り込んでも結果は
火を見るより明らかでしょう
中島飛行機物語の第六章にも"戦闘機の護衛無しには
(富嶽でさえ)途中で落とされるのは明らか"という
記述があります

ですが 当時、日本で最も軍用機に詳しかった
中島知久平がその点に気がつかないはずがありません

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また最近になって400丁の機銃装備という構想図が
紹介されましたが 20mm機関砲を平均一丁30kgとして
400丁で12tです 富嶽は20t搭載可ですから 
残り8tで乗員 弾薬 400丁をシンクロする統制装置を
乗せるのはかなり無理だと思います
米軍のB-17を戦闘機化させたYB-40ベガも鈍足すぎて
失敗してます






日本はGEBO計画に先駆けていた?
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そこで思い当たるのが GEBO計画です
これは40年代後半から50年代に米国でコンヴェアが
中心となって進めていた次世代の戦略爆撃機構想
だったんですが 様々なアイデアが練られました
例えば超音速爆撃機や中にはB36数機を翼端で繋げる
空中艦隊構想とかマンガちっくな構想まで検討されました

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そして この中から生まれたとされる寄生戦闘機計画は
マクダネルXF-85ゴブリン(1948年)などが実際に作られ
かなり本気で開発されました

つまり知久平の頭の中にもこうした寄生戦闘機が
あったかもしれません 事実 日本軍は桜花を
一式陸攻に搭載するシステムを作っていましたから
基本的には寄生戦闘機も可能でしょう

無尾翼ジェット戦闘機 かつおどり
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そうなるとどんな機体がいいか? ということになりますが
小型で高機動というと萱場 かつおどりが適当だと思います
萱場製作所(現KYB)の萱場資郎が提唱した無尾翼の

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高速ジェット機/KF計画でHK1/ク1からHK4/ク4までエンジンを
載せないグライダー式で開発が進められた機体でした
飛行テストには成功しましたが 残念ながら1941年に
中止となりました 

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しかし萱場は無尾翼機の開発を社内プロジェクト
として続け1943年に"かつおどり"としてまとめました
推力750 kgのラムジェットエンジンを搭載し
最高速度900 km/h マッハ0.72を出す計画でした

ラムジェットはコンプレッサー等が無いので仕組みが
簡単なんですが 速度が低いと効果が弱いので補助ロケットで
飛び出す予定で モックアップまでいっていましたが
終戦となってしまいました

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かつおどり モンモデル1/72  管理者製作 
爆撃機懸垂型と地上発射型が選べる

このかつおどりのデザインは寄生戦闘機に
ぴったりです 

また武装は30mm無反動機関砲を予定していましたが
これは一部の四式戦に装備された40mm自噴式機関砲
つまりロケット弾の30mm版だと思われます
この自噴式機関砲の発案者が萱場資郎社長その人です

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富嶽+かつおどり編隊構想
例えば 富嶽は全長が46mもあるので 全長4.5mの
かつおどりを3機 吊り下げることは十分に可能です
この空中母艦型富嶽を 富嶽10機編隊の内の2機とします

マッハ0.7 30mmロケット砲を持つ かつおどり一機を
レシプロ戦闘機3機分の能力と仮定すれば
6機のかつおどりは 6×3=18 つまりこの富嶽編隊には
レシプロ戦闘機18機分の直衛がついていることになります
(あくまで理想的数値による概算ですが・・)

中島知久平の富嶽と萱場資郎のかつおどり
この二人の天才的技術畑系社長の機体が完成し
一つのシステムに結びついていたら 歴史にIFは
無いといわれますが 戦史上に名を残していた
ことは確かだと思います
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