今回 少しおもしろいものがあったので

まず載せておきます

これは50年代後半から60年代物と思われる

人民解放軍の歩兵向けの対戦車用教本画像です

敵戦車がロシア製なのがわかりますか?

いまは準同盟国状態の両国ですが

60年代から80年代くらいまでは

とても険悪な状況が続いていました

そして　ついに武力衝突に発展します

それが1969年にロシア(旧ソ連)と中共軍が

ぶつかったダマンスキー/珍宝島の戦いです

マイナーですが　一時は大戦争になる

直前までいきました

この戦いは尖閣問題や北方領土返還への

ヒントとなるでしょう

※両軍の呼称は正確には　人民解放軍と

旧ソ連軍ですが　長いのでここでは

中共軍とロシア軍とします　悪しからず

まず　激突に至る経緯を振り返ります

1956年　フルシチョフがスターリン批判
ソ連共産党第20回党大会で、平和共存路線採択

これを契機に中国とソ連間でイデオロギー論争発生

10月にハンガリー革命。

キューバ危機に関して中国はソ連を「冒険主義」と

非難し中ソ対立は西側にも公然のものとなる

ワルシャワ条約機構軍は武力でチェコ制圧

この武力弾圧に周恩来は「ソ連は強盗集団」と発言

ソ連側が「教条主義者」と反論し対立が先鋭化

60年代後半にはモスクワの中国大使館に攻撃が

加えられるまでに激化する

この戦いはウスリー江に浮かぶ島であるダマンスキー

珍宝島の帰属をめぐる戦いです
ちっぽけな　この島の名前ばかりが有名なんですが　
実は国境沿いの合わせて2500近い島々全体の
帰属がかかった大一番でした

にらみ合う両軍の移動を捉えて中共軍が先制の

待ち伏せ攻撃をロシアにかけ国境警備隊３２名が戦死する

これ分かり難いですが　中共軍歩兵が
BTR60を取り囲んでたこ殴りしてる図です

中共軍死者800、ロシア側に５８名の戦死者

(中共側６８名など数字は諸説あり　また中共は
民間人や農民を盾にしたいう記述もあるが共産軍
同士の戦いなのでどっちもどっちだろと思います)

衝突がアムール川（黒竜江）流域や新疆地方に
まで広がる

ウスリー江両岸は中共軍とロシアが合わせて

160万もの大軍で埋め尽くされ　上空には戦闘機が

飛来する物々しい状況となります

ここで　ホーチミン死去などの祭儀を利用した
両国外相会談が成立し一旦、水入りします

その後の長い睨み合いの末に　88年にこの周辺の

島々の帰属が確定しました

名称も珍宝島と決定し結局ロシア側1163
中国側1281となり　紛争中よりかなり

中共側が有利な取り分となっています

これは3年後の91年には旧ソ連が崩壊するなど

ロシア側の内情が弱体化していたことも大きいでしょう

一方で当時の北方領土で何もできなかった日本の
外交と政治の無力さ　無能さはWW2の敗戦の教訓を

まったく生かさない知能障害っぷりでした

この69年の戦いにおいて　当時は最新鋭戦車で

あったT-62MBTが中共軍に鹵獲され　ロシア側が

奪還破壊を目論んだが失敗したという話があります

実際にこの車両は中国の博物館に展示もされている

らしいんですが　事実とするとロシアはまさに

盗人に追い銭をやった格好です